よしもとばななの小説が好きだ

今週のお題「読書の秋」

 

よしもとばななの小説が好きだ。

中学三年生の冬、受験が終わった解放感から、それまで読んでいた児童書の棚をさ迷い出した私は、吉本ばなな村上春樹の『ねじまき鳥クロニクル』を手に取った。

吉本ばななの小説が何だったのかは忘れてしまった。

よく分からないなりに読み耽って、大人になったような気分になった。

ありふれた出会いから時は立ち、もはや大人以外の何物でもなくなってしまったが、吉本ばななさんの小説は、安心して読むことのできる大好きな小説だ。

とくに『キッチン』が好きで、本当のことをいえば最初はぜんぜん良さが分からなかったのだけれど、繰り返し読むうちにどんどん好きになっていき、そして繰り返し読んでいる。

 

森絵都さんの小説も好きなんだけれど、彼女たちの小説は女の子が前向きで少しとぼけた性格をしているのが可愛くて良い。

可愛いだけじゃなく、彼女たちは案外ずけずけと遠慮のない物言いをする子たちで、格好をつけたいような場面でも言葉をとりつくろったりしない。

私はそのあけすけな言葉にげらげら笑いながら、ひらがなで書かれた彼女たちの新鮮な感覚を楽しむのだ。

 

今私は友人が好きだと言っていたので日本で買ってきた『デッドエンドの思い出』を一話づつ、気が向いたときに大事に読んでは楽しんでいる。

今日は2作目の「おかあさーん!」を読んだ。

「おなわをちょうだいした」という表現にげらげらと笑い、それから泣いた。

 

文章の勉強のために、気に入った部分を抜き書きすることにしているので、いっそブログで公開しようかと思い衝動的にはてなブログに登録したのだけれど、いざとなると著作権にうるさいひとににらまれないだろうか、きちんとした感想文を公開したほうがいいのではないかと迷い始めてしまったので、これを書いたあと、抜き書き作業に戻ろうと思う。

何でも書ける真っ白なブログはわくわくしますね。